The Saint John's Bible

  観光客でいつも賑わっているトラファルガー・スクエアの
すぐ前に立派な教会が建っている。それが
St Martin-in-the- Fields
(セント・マーティン・イン・ザ・フィールド)
なんとも長い名前だ。
そこの地下(もとはお墓だった!)にカフェがあり、
(街中で一休みしたり、トイレ休憩するのに使えると思う)
同じフロアにブックショップもある。
地階に降りていく螺旋階段が正面入口にあり、
その階段を降りたところがちょっとした展示ロビーになっていて、
St Johns Bibleはそのロビーのガラスケースの中に入っていた。
ご存知の方も多いと思うが、The Saint John’s Bibleは
イギリスのドナルド・ジャクソンが10数年前から取り組んできた
一大プロジェクト。21世紀最高の装飾写本だろう。
そのプロジェクトには数多くのイギリス人カリグラファーも
参加して、テキストを書いたり、イルミネーションを担当したり。
そしてこのほど、完全に手書きの「現代版豪華写本」が出来上がった
というわけだ。

st johns bible














2冊のバイブルは毎日ページがめくられる。
もちろんこれはファクシミリ。
残念なことに照明がとても落とされていて、
暗くて細かいところは見えにくい。

























この情報はNLLAから回ってきたもので、
St Martin-in-the-Fieldsのサイトを見ても
どこにも一言も書かれていない。
なぜこんなすごいバイブルが展示されていることを
宣伝しないのだろう。
不思議だ。

ブックショップにはこのバイブルにちなんだ
本やカード類が販売されている。



Bookbinding class

 今日をいれてあと2回で
InstituteのBookbindingクラスのSpring termが終わる。
あと2回でほんとうに出来上がるのだろうか???

今回は「K118」という名前のバインディングをしている。
これは、セクションをテープなしでsewingするので
ボードとセクションはfraynotという布で
ヒンジのように貼り付けて固定するそうだ。
今日はまず、革のエンドバンドを作り、
その革のエッジをうすく削る作業を習った。
そうすれば張り付けた時に段差ができない。

革を削る機械



ライムストーン(花崗岩)
を見せるGene.

この上で革を削る。

この石は湿度が全体に
行き渡る性質があり、
リトグラフに使われた。

硬いけれど、刃あたりがいい。


シャープな特性ナイフで
革を削る作業は職人技!

薄い革で麻糸を巻いて作る
Endband


spineに和紙とfraynotを張り付ける作業もした。
「この服用のブラシ、ガレージセールで
2つで3ポンドだったんだ。」
とGeneはとっても得意そうに話す。
和紙に糊をつけて、spineにのせ、
しっかりとブラシで叩き込むようにして
貼り付けていく。




和紙の上に、さらにfraynotを貼り付ける。

fraynotを貼る作業



fraynot(frayとはほつれの意味。
ほつれない布、ということ)
を貼り付けた本。

なんだかいかにも製本の作業っぽくて
おもしろかった。


Endbands

 トラディショナルなBookbindingを習い始めてもうすぐ半年になる。
ほぼ基本的なことはひと通りやったと講師のGeneは言うのだが、
もちろん基礎の基礎だと思う。

今やっているのが、Endbandと言って
日本で言う花ぎれに当たる。
これは普通市販のものを切って貼っているが、
手編みする方法を習った。

糸は麻かシルクか綿の自然素材。
練習用に古本を買ってきて
(チャリティーショップで£1.5)
カバーをはがして練習。

練習練習用の古本で

家に帰って忘れないように
自分で綴じた本に今度はもっと細い糸で
挑戦した。

end band 1endbandの芯は麻糸を
薄い和紙で巻いたもの

end band 2

end band 3

完成!

Geneは自然素材にこだわる。
どうしてか尋ねたら
「だって、ハンドメイドのブックだからだよ。」
(?)
せっかく手間暇かけて作るものに
安い材料は使いたくないという意味だと思う。

「時々ブックバインダーに、安いペーパーバックを
バインドする人がいるが、どうしてそんな本を使うか
僕にはわからない。せっかくなら、初版とかの価値のある
本を探してバインドするべきなんだ。」

Geneは本当に職人なんだなぁ、と
彼の仕事に対するポリシーからも
うかがうことができるのである。


LondonのBookbinder

今朝は雪とミゾレ交じりのあいにくの天気で
朝のBookbindingのクラスは6人と少なかった。
でも講師のGeneはご機嫌で、朝から饒舌。
今日は作業よりも彼のおしゃべり(失礼、講義)が
半分以上だった。

今日彼は日本の和綴じの古書を持ってきて
「これにはなんて書いてある?」
と尋ねるので
教えてあげると、とてもうれしそうにして、
「これは25ポンドで買ったんだけどいい買い物かなぁ」
と聞くので、「すごくいい買い物だと思います。」
と言ってあげるとますますうれしそうにしていた。
それは小さな紋の本で
「いろは引紋帳」と書いてあった。
奥付には明治14年とあった。
状態はとてもよくて、細かい挿絵もきれい。
和綴じの部分がほどけかけていたが
彼は自分で(彼の得意とする)修復をするつもりだと言っていた。

よくクラスの中で日本の和綴本のことにも触れ、
「日本の和紙は世界で一番いい紙だ。紙が違うから
本の綴じ方も西洋のそれと違う。日本には西洋よりも
ずっと以前からこの質のいい紙があったんだよ。だから
この綴じ方をずっとしてきた。」などと話す。
なんだかちょっぴりうれしい。

今日はBookbinderの話になった。
カリグラフィーと同じように、Bookbinderの世界にも
カンファレンスがあって、
年に1回UKのどこかで3日間くらい、大勢の参加者が集まり、
BookbindingのWSや、書籍やBookbinding toolの業者が
山のようにいろいろなものを持ってきて、
参加者も買いあさるという。
なんだかちょっとのぞいてみたい気もする。

1冊オーダーすると£7000とか£8000もする
Artist bookを作るプロのBookbinderたち。
一体どれくらいいるのだろうか。
きいてみると、
「知っているだけでロンドンに10人はいる。
彼らは個人で仕事をしている人もいれば、
何人も雇っている人もいる。立派にBookbindingだけで
食べていっているよ。」
「もっと詳しいことを知りたければ
Society of Bookbinders
Designer Bookbindersのウェブサイトを見てごらん。」

「部屋を片付けていたら、Bone folderが20本も
出てきたよ。それぞれ違う形で、Pasteを混ぜるのにも
便利だしね。以前レクチャーで、
ずらりと道具を並べて、いつ、どこで
どうやって手に入れて、何に使うかだけを1時間半の間
話したアーティストがいたよ。」
カリグラファーもだけど、道具の話になると
何時間でもしゃべれるくらい、Bookbinderは道具好きが多いようだ。







Herringbone stitch

 週末どこにも出かける予定がなかったので
家でbookbindingのおさらいを兼ねて
小さめの本のセクションを縫った。

天地15cm、幅10,5cmのハガキくらいの
サイズの本の16セクションを”Herringbone stitch"で
縫った。

にしんの骨ステッチ

Herringbone とはニシンの骨の意味。
ステッチアップステッチ完了

見た目がニシンの骨のように見えるから。

他の考え事をしながら作業をしていて
集中力が欠けていたようで、
2度も最後で、間違っていることに気がついた。
でき上がったら、セクションがゆるゆるだったり、
途中糸を結ぶのを忘れていたり、
やっと3度目になんとか出来上がった。

"Neat & Tidy"
「Neatness(小ぎれいさ)が美しい本を作る秘訣」
”nice & Taut"(ほどよくぴんと張られた糸)
”Bookbinding is correcting your mistakes"
(ブックバインディングとは失敗をそのつど修正していく作業のこと)
”Measure twice cut once"(2回長さを測り、1回で切る)
"Paper grain must all goes head to tail!"
(紙の目の流れはすべてかならず天から地へ!)

これらの言葉は授業中にGeneが言った言葉である。
意味はよ〜くわかるのだけれど
実行するとなると、これがなかなかできない。
注意力散漫な状態では何度もやり直すことになる。

この週末はそれを実感させられた。
1冊作るのに、3回も縫ったお陰で
縫い方をやっと覚えることができた。
”Bookbinding is correcting your mistakes"
である。






Reading room

British Libraryへ久し振りに行く。
というより新年明けて初めて
街に出た。

地下鉄は元旦から値上げしていて
最寄の駅からEuston駅(ゾーン1)まで
オフピーク時は2.2ポンドだったのが
2.4ポンドへ。
バスは1ポンドが1.2ポンドへ。

用事が早く済んだので
近くのBritish Libraryへ行って
Reading Roomを使用するための
メンバーズカードを作ってもらった。

住所の証明ができる書類(ガス代の請求書など)
と身分証明書があれば誰でも登録してもらえる。
私は大学の講師の身分を認めてもらえたので
カードの有効年数が普通1年のところを3年にしてもらえた。

これで、この巨大な図書館の蔵書を好きなだけ
見ることができる!
ラップトップを持ちこんで使用することも可能。
ちょっとワクワクしてきた。






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