冬のParisその3−Musee D'Art Moderne

 寒くてもパリーということだろうか。
観光客の姿はメインストリートに出ると多く、
やっぱり冬でも関係ないのかなぁと
寒がりの私は驚いてしまった。

サクレクール寺院から。
朝もやで霞む街並み。

Fredericから、「今ちょうどMusee D'Art Moderne
(現代美術館)でBasquiat(バスキア)展をやっているから
是非見に行くといい。」
次の日は美術館めぐりとなった。
午前中にGuimet美術館で東洋美術を鑑賞し、
午後からモダンアートの鑑賞。
バスキアはここでも人気だ。
とっても混んでいたが、
中に小学生くらいの集団が2−3グループ来ていて、
ひとつひとつの作品の前に座って
先生の説明を熱心に聴いている。

バスキアの作品を前に話を聞く
子供たち

〈あーこんなに小さな頃から生のモダンアートに触れる機会が
あるなんて、なんてうらやましい!
アートのセンスが違ってくるのは当然だわ。〉

とつくづく思う。
イギリスの美術館でも
いつ行ってもたいてい小学生から美大生のような学生まで
団体で訪れてノート片手にメモをしたり
スケッチしたり、という姿を見かける。

Guimet美術館では、日本美術のコーナーで
仏像を前に先生の説明を聞く小学生の姿があった。
アジアのアートまで勉強するなんてフランスの子供恐るべし。

自分が学生だったころ、どれくらい本物に触れただろうか、
と思い返してみた。
 美術の教科書に載っていた写真の記憶しかない。
日本美術ですら、本物に触れたのは
大人になってからのことで、
西洋美術なんて、印刷物やせいぜいテレビで観たくらいだ。

バスキアは28歳でドラッグ
の取り過ぎで亡くなった。

破滅型アートはなぜか観ていて
苦しくなる。
この作品は色が好きだ。





冬のParis その1−MURAKAMI VERSAILLES 


 Chateau De Versailles(ヴェルサイユ宮殿)で
9月14日から12月12日まで開催されている
村上隆の作品展へ行ってきた。

特にムラカミのファンというわけでもないのだけれど
海外でそこまで高い評価を得ている日本人アーティスト
ということで、実際この目で直に作品を見てみるというのは
悪くないと思った。
一度ユーロスターに乗ってみたかったというのと、
ヴェルサイユの近くに住んでいる知り合いに会う、という
理由もあったので、思い切って行くことにした。

ロンドンのSt Pancras International (セントパンクラス・インターナショナル)駅から、
出国手続き(空港のそれと比べるととっても簡単で早い)をして、
Eurostarに乗る。
その日は朝まだ暗いうちに家を出たのだが、
外は真っ白雪景色。
ロンドンで初雪が降った日だった。
去年の大雪の時にユーロスターが立ち往生して、
大変な騒ぎになったことを思い出し、
ふっといやな予感が。

出発は定刻通りに問題なかった。
いよいよ長いトンネルを抜け、フランスのCalai駅に止まったところで、
「テクニカル・プロブレムでしばらく停車いたします」
とフランス語と英語のアナウンスが流れた。
その数分後
「テクニカル・スタッフが今駆けつけています」
しばらくすると
「テクニカル・スタッフが今到着しました」
と細かく状況説明のアナウンスが流れた。
1時間止まっても何の説明もしないイギリスとは
大きな違いだ。
「テクニカル・スタッフがリセットしますので
ご協力お願いいたします」
と言うアナウンスの後、車内の電気がすべて切れ、
一斉に暗く静かになった。
〈ヒーターも切れたまま何時間もこのままじゃないよね・・・・〉
電気は10分くらいで復旧した。
そして待つこと1時間余り、
やっと列車が動き出した。
「大変ご迷惑をおかけしました。ご協力ありがとうございました」
到着は1時間半遅れだったが、そのお詫びに、ということで
次回のチケットはこのチケットを見せれば半額になるとのアナウンスが流れた。
これはまた来なければいけないということか。

北駅から歩いて25分くらいのホテルまで歩いた。
途中「MANGA」と書かれた大きな看板が目に入った。

なんだか懐かしいものが
並んでいる

日本のマンガだとおもうけど・・・
知らないのばかりだ。

フランスは特に日本のマンガやアニメのファンが多いと
聞いていたが、キャラクターグッズをやたら見かける。
ハローキティはイギリスでも見るけれど、
パリではその頻度が半端じゃなかった。
数件に1件はキティグッズを扱っているかと
思うほどだ。

メトロの入り口。
なにか現代アート彫刻かと思ったら
ちゃんとした入り口だった。


ヴェルサイユ宮殿に昼ごろ到着したら、
空気も凍りつきそうな氷点下の寒さの中、
大勢の観光客がすでに宮殿から
出てきていた。
朝一番に観に来たのだろうか。
今回、韓国からの旅行客をよく目にした。
若い人が多く、学生だろうか。
ミニスカートに、タイツという見るからに寒そうな
いでたちの彼女たちはハングルで「寒い〜!」
と言いながら歩いていた。

フランス式庭園も雪景色


庭の像の間から見える
ムラカミの黄金のキャラクター

ベルサイユ宮殿の豪華な部屋に
対抗して作ったのだろうか。

お花畑と金屏風はそれなりに美しかった。

このランタンもきれい。

キャラクターはともかく
色遣いがきれいだと思った。
さすが数百色もの色作りにこだわっている
だけはある。

「The Emperor's new Clothes」
これって裸の王様みたい。

ヴィーナスの間の「かいかいきき」

ダイアナの間の「ポンと僕」


やはりこの宮殿の重厚さとか
古さ、スケール感とは
違和感が・・・・。


でも、あえてこの全く違う質感のアートを
ここに展示しようと思った
キューレターにすごい勇気があると
感心してしまった。


鏡の間の「Flower Matango」

これは結構この部屋の雰囲気と
マッチしていて、違和感はなかった。
鏡に映った様子もよかった。

ムラカミ作品かと思ったら
テーブルセッティングの見本のような展示。

ゴージャスなナフキンのたたみ方が
まるでオブジェのようだ。

どのくらい大きなナフキンをつかったら
こんな複雑なたたみ方ができるのだろうか。

広大な庭園を見下ろすように立っていた
「Oval Buddha」

この寒さで、さすがに庭園の奥まで
散策している人の姿はなかった。
それでも海外からの観光客は
雪合戦をしたりして(若者たち)
元気がよかった。






Earth and Stoneその2

 Tomは作品作りに時間がかかるといううわさを聞いていたが
彼にしてはとっても頑張ったようで24点もあった。
Geynorはなんでも作業が早いので有名。
Tomの倍の48点もあった。
まぁ、Lettercarvingはとても時間がかかるから
当然と言えば当然かも。

ギャラリーの入り口からみたところ。
右半分

左半分

中心の柱にバナーが。
これはTomが書いたものだろうか。
今回のタイトル
"EARTH & STONE"


Tomの石の作品とGaynorのカリグラフィー
作品が一緒に展示されていたが
違和感は全くなく、文字通り
Earthカラーでまとめられていた。



TomのもっともTomらしい文字たち
このシャープさがたまらない。

赤っぽくて柔らかいこの石は
銀河荘に似合うだろうなー。

Gaynorはコラージュがとても好きなようだ。
本物の小石や小枝、板などをたくさん使って
作品を作っていた。


いろいろな質感の紙をコラージュして
ティシュー(服などを包む薄い紙)に字を書いたもの。
こちらではよくこのティシューを使った
コラージュをする人を見かける。


色合いが自然でとてもきれいだった

石の色とバックの紙の色合いが
とってもよく合っていた。
バックグラウンドはウォッシュで
彩色したのだろうか。

Gaynorも石に文字を彫っていた。
”Tomより下手だから、私はあまり
彫らないんだけど”
と話していたのを思い出した。

こんな試みも。


白い石に彫った文字に水色の着色。
これは売約済みになっていた。


この縦長の作品も素敵だった。
とくにこの部分が好き。
(gとjの重なったところ)


イギリスに来て初めての
Afternoon tea.
念願かなってやっと実現。
この町のカフェで偶然みつけた。
2人分で£18とお手頃だった。
とても食べ切れず、残りはもって帰った。
カップやお皿はアンティーク風の
素敵な陶器で、ちょっとリッチな気分を
味わえた。

こんなに素敵なカリグラフィーの展覧会は
ロンドンと言えどもなかなかお目にかかれない、
にもかかわらず、人が全くいなかった!
なんてもったいない!!!
この世界レベルの2人の作品が1人でも多くの人の目に
触れますように!



Earth and Stoneその1

 今Craft Study Centre
Tom PerkinsとGaynor Goffeの
初めての作品展が開催されている。
(12月18日まで)
この有名で経験の長い2人が
人生で初めての作品展というのは驚きだ。

タイトルは"Earth and Stone"
TomのCarved letteringと
GaynorのCalligraphyである。

場所はロンドンWaterloo駅から列車で1時間余りの
Farnhamという小さな町。

町の中心部近くの小ぢんまりとした
町並み。道にはごみひとつ落ちていない。

古くから残る狭い路地

老夫婦が仲良く歩く
ずっと昔から残る道。
地面には細かい石がびっしりと敷き詰められていた。
かなり歴史的に古いらしい。


壁が微妙に波打っていて
有機的な美しさ。

ロンドンから郊外に行くといつも思うのが
外国人がぐっと少なくなるということ。
この町に着いた途端感じたのは
イギリス人しかいない!
ということだった。
道も、公園も、カフェも
ギャラリーもどこを見ても
白人の姿しか見えない。
アジア系はもちろんインド系、
アフリカ系、アラブ系の姿は
とうとう最後まで目にすることは
なかった。
そしてFish&Chipsのお店がやたら多い。
ロンドンではイランやトルコ系のKebabのお店の方が多いくらいだ。
その代わりエスニック系のレストランがほとんどない。
きっとこいう町の語学学校で学んだ方が
イギリス的なものにどっぷり浸れるのではないだろうか。
と思ってしまった。

小さな町だが、道や公園は清潔で気持ちよく、
地元作家のクラフトやアート作品を展示販売する
素敵なギャラリーもあった。
そして、きれいで新しい学校が
Craft Study Centreの隣に建っていた。

UCAの隣にあるCraft Study Centre

入り口の横にはTomの彫った石が。

"University of Creative Art" (UCA)だった。
どんなカリキュラムか気になった。
入口のすぐ奥に立派なギャラリーがあり、
イギリスらしい海の風景画(ちょっとターナー風)
がたくさん展示されていた。

イギリスの大学は1校をのぞきすべて公立。
そしてどの学校にも芸術学部がある。
日本とは比べ物にならないくらい
アートを学ぶ機会が多いし
なにより、アーティストの仕事の口も
多いということだ。
(少なくとも大学で教えるという仕事がかなりある)

経済発展一辺倒となった
明治以降の日本では、
すべての大学に芸術学部を設置するなんて
考えも及ばなかったのだろうか。
その点、アートは経済と同じくらい重要だという
ヨーロッパの伝統的な考えは
うらやましいと思う。

アイルランドでもそうだったが、
アーティストのなんと多いことか!
Staciaの家の周囲にはアーティストの
スタヂオがたくさんあり、
絵画、彫刻、陶器、版画など
さまざまな分野のアート作品を制作して、
それを売って生活している。
今は経済状況がよくないので
作品が以前ほど売れないから、
アートを子供たちに教えて
スタジオ代を稼いでいるとのことだったが。

基本的に日本と比べ、
アーティストの数が圧倒的に多いと思う。
そして、アートを愛でる人の数も。

「ライオンと羊の通り」
時々面白い名前の通りがある。





Anish Kapoor

 9月末から来年の3月中旬まで
Kensington gardenで開催中なのが
Anish Kapoorの"Turning The World Upside Down"

4点の彫刻作品が広い公園の中に散らばっている。
すべてモダンアート作品だ。
秋から冬、春と3つの季節をまたがって
作品が季節とともに移り変わる周囲の風景の中に
どのように映り、溶け込んでいくのか。
空や池、木々の緑を反映する作品の様子を
作者のAnish Kapoorは計算して設置したらしい。

野外に設置しているから、当然警備が必要となる。
作品の周囲に金網などを張っているわけではないので
触れようと思えば触れることも可能だ。
だから、作品の隣には警備員が常時ついて
近づきすぎる人には注意をしていた。
寒くなるこれからは辛い仕事だと思う。

ある作品の警備をしていた
リトアニアからという留学生の若者は
よほど暇だったのか、話しかけてきた。
日本に興味があるのだろうか、
いろいろと質問してくる。

リトアニアは、よほど強いコネがない限り
いい職に就けない、という。
能力があっても報われないのだそうだ。
それではやる気のある若者は
海外に流出してしまうだろう。
どうりで、東ヨーロッパのEU圏からの
移住者が多いはずだ。
けっして住み安いとは言えないロンドンだが、
そういう若者にとってはそれでも祖国よりは
夢を持てるということだろうか。
その青年に明るい将来が待っていることを祈るばかりだ。



 


Art in London 3

 テキスタイルでもここまで大きくて
インパクトがあると現代ゲイジュツになる、という
いい例。
素材感がよかった。色も。

Magdalena Abakanowicz
というポーランドの作家。


人の背丈よりもずっと大きい。


この彫刻作品の作家はFrieze Art Fareにも
出ていた。
角材から自然の木が削りだされているような
イメージ。
もちろん、角材と自然の木は継がれているの
だろうけれど、この意外性が面白い。


Henri Michauxの"Untitled Chinese Ink Drawing"
墨のドローイングなのだけど、
カリグラフィーにも通じるところがあって、
とっても興味深い。

おなじみ、Jackson Pollockの
ドロッピング作品。
適当に描いているようで、
すべての部分でとても神経を使って
描いて(垂らして?)いるのがよくわかる。
どこの部分を見ても面白い。


ポロックのちょうど真向かいに展示されているのが
モネの睡蓮。
この二つを対峙させているのは
どういう意味なのだろう。


Maria Helena Vieira da Silvaの
”The Corridor"
オイル作品だが、モノクロで
迷宮に引き込まれそうな感じだ。

いつ来ても新しい発見があって
(実際に特別展以外でも小規模な展示の入れ替えや
企画展が開催されているので、いつも同じものではない)
本当にすごい。
これが無料というのだから、信じられない。
VATが20%になっても
文句言えないかも。
イギリス人が高い税金を払っているおかげで
世界中の人がタダで素晴らしい芸術を
鑑賞できているのだということに
ちょっと感謝。



Art in London 2

 ちょうどゴーギャン展が特別展として開催されていた。
が、今回はそれはパスした。
まず、当日のチケットは何時の分が買えるかわからない。
多ければ「13:30から入場のチケット」
などということになり、思ったように行動できないのだ。

ということで、4階のフロアの右側と左側、
そして2階の右側と左側を見た。
エスカレーターとロビーをはさんで
各階両側にギャラリーがあるのだが、
そのどれもがかなり充実しているので
いつも1フロアーの片側だけで
おなか(頭)一杯になってしまっていた。

ウォーホールのシルクスクリーン。
個人的にはあまり興味がないのだが、
やはり迫力は十分にある。
色や形、繰り返しの力強さ。
インパクトはすごい。

今回初めて知ったイギリスの作家。
Bridget Riley.

この作品はじっと見ていると
目がくらくらしてきた。
実際これはすべて手描きで
こんな作品よく描けるなぁと
思っていたら、
作家自身、描いていて病気になって
一時期制作を中断しなければならなくなったそうだ。




この作品は色遣いがとってもきれいで、配色が見事だ。
これもすべて手描き。すっかり彼女のファンになってしまった。

なんだか「ハイル ヒットラー」
と言う声が聞こえてきそう。



おじさんが一生懸命に色鉛筆で
模写をしていた。

色がとってもきれいだけど
これは不思議なマテリアルで
できていた。
ただの絵具で平面に描いたものではなく、
半立体で、なんだかよくわからない。
この、よくわからない、というのが
ミソなのかもしれない。





John Lathamの"Film Star"
いろいろなブックをコラージュしている。

Alberto Burriの"Sacking and Red"
荒い麻のような布袋をモチーフによく使っている
作家。

Michelangelo Distolettoの"Venus of the Rugs"

確かにぼろ布の山とヴィーナスの落差が
面白い。

とにかく、日本の美術館の特別展並みの
質と量の数倍のものが、
1フロアーの片側のギャラリーだけでも
あるのだからすごいパワーだ。
見るのもエネルギーがかなり必要。
心身ともに充実している時に来ないと
かなりしんどい、と思った。





Art in London 1

 アートの秋というより
もう冬になってしまった感じだが、
ロンドンのアートシーンはまだまだ熱い。

お気に入りのTate modernでは
中国の世界的アーティスト
Ai Waiwaiが、広いホールいっぱいに
ひまわりの種(にそっくりな磁器)を敷き詰めている。
最初、上から見た時はなんか砂利のような小石のようなのが
敷かれているだけかと思ったが、
下に降りてみて、実際に上を歩いて、
しゃがんでその砂利を手に取ってみて初めてそれが
「Sunflower seeds (ひまわりの種)」
だということに気が付いた。

砂利のようなひまわりの種の上に
座りこんだり寝転がったり。
すっかりくつろぐ人たち。

磁器でできているので
白い埃がすごかった。

後日この埃が理由で、
種の上は立ち入り禁止になったそうだ。

ひとつひとつ、手作り(手描き)で
どれ一つとっても同じ模様の種はない。
実際の種よりも大きくて立派。
でもちょっと見には本物みたいだった。

中国の磁器の生産地として有名なところで
町中の人が総出で何年もかけて作った。
展示されている数はなんと1億個以上!
北京の人口の5倍、中国のインターネット
利用者の4倍の数だという。

その日は
午前中にTate Britainに行き,
テムズ川をボートで下って (Tate to Tateという)
午後からTate Modernを見るというアート尽くしの1日だった。

Tate to Tateのボートから見えた
マンションの壁の絵。

ターナー賞候補の4人のアーティストの作品が展示されている
テート・ブリテンに開館と同時に入場。
ここももちろん無料。
今年のターナー賞は誰が取るのかなぁと考えながら
見て回った。

スペイン出身でロンドン在住の
Angela De La Cruzの彫刻作品。
彼女の作品は一見壊れている
もしくは壊したように見える。
ものが壊れている(不完全な)状態の中にある
美しさを表現しようとしているのだろうか。


彼女は今一番ホットな現代アーティストの1人らしい。
Frieze Art Fareでも彼女の作品がいくつか
見られた。
1965年生まれと比較的若い作家だが、
600万円以上の値段が付いていた。
市場での取引価格が分かるのはとても興味深い。

Tate Modernでは、
半日ですべてのフロアを踏破する覚悟で
最上階から見て回った。







アート尽くしの秋のロンドン

 今年も芸術の秋がやってきた。
この時期のロンドンはさまざまなアート展が
ギャラリーや美術館などでいっせいに開催される。
その中でもいち押しなのが、FRIEZE ART FAIR。
リージェントパークに巨大な仮設展示場が建ち、
世界中から画廊が150以上集まって、現代アート作品を
展示即売する。
去年はカメラを忘れてとても残念な思いをした。
今年は気合いを入れて前売り券を購入し、初日の朝から行った。
すると長蛇の列。
開場の11時になってもなかなか入れない。
小雨の降るなか、待つこと30分。
やっと入ることができた。
(前売り件の人は入場制限されていたようだ。
クロークが混み合うのを避けるため?)

今年も期待を裏切られることはなかった。
午前中というのに、すでに会場には人があふれ、
会場内にいくつかあるカフェは満席。
始まってすぐなのに、もうお茶?
そうか、ここはイギリス、まずはCoffee or Teaというのが
こちらの人たちの習性。

入ってすぐ目の前に飛び込み台があらわれ・・・

黒い柱と思いきや、さまざまな陶器のつぼが
重ねられてマットなブラックに塗られていた。
一部マスキング(?)していたラインにそれぞれの
陶器の素の姿が・・・・

床に無造作に転がっていた黒い赤ちゃんの
オブジェ(?)

普通の椅子のように置かれていたが、
よく見るとちょっと変
さまざまな家具の部分でできていた


この椅子は座ろうとして、「おっと!」
と思わずよけた。よーく見るとスケボーに乗っている。
転がりそうなのだが、ちゃんと固定されていた。

この公衆電話、受話器がちょっと違う。
水牛の角?

上にあるのが工芸としての椅子。
下にあるのがそのパロディー。


このモノクロのパンジーはすべて鉛筆。
ぱっと見は写真のように見えるが、
ものすごく精密に描写されている。
今回はこのような鉛筆の精密画が
目立った。

段ボール箱が無造作に置かれている、
と思ったら彫刻作品。

ちょっと見には地味な絵だが・・・・

近寄ってみるとすべてビーズで描かれていた。

今年もランチは持って行ったおにぎりを公園のベンチでいただく。
会場の出入りは可能。外にも彫刻作品が展示されていた。

どう見ても、粗大ゴミの山にしか見えない・・・
白い煙まで出ていた。匂いはしなかったけれど。

不思議な形の多角形がいくつもくっついていた。

本物そっくりの白薔薇でできた迷路。
よく見るとプラスチックのような素材。
よく見ようとかがんだら
”Don't touch!"
の監視員の声が飛んできた。

巨大な黒電話。
これはドレスでできていた。

文字を使った作品。
結構大きくて縦1m,横2mくらい。

これは雑誌のコラージュの上に
タイプフェイスのような
文字が書かれていた。
上から塗られた色がとてもきれいだった。


それほど大きな作品ではないが、
この陰影、すべて鉛筆で書かれたもの。
平面作品だった。

観光地のポストカードを真ん中に貼り、
その周りに景色を広げて描いたもの。
これは本当の景色なのだろうか?
だとしたら、このポストカードの写真が
撮られた場所に行ったのだろうか?







この仔犬はとっても人気があり、
しばらく周囲は人だかりしていた。
とってもりりしくて真剣な眼差しが
返って悲しい。
ちなみにこの子は剥製。


我らが日本の現代アートの代表者の1人。
草間弥生は今でも現役で元気に自分の
スタジオに通って精力的に作品制作を
しているという。
今年82歳。


去年見かけて草間弥生かと思ってしまった。
この女性、今年もちょっとファッションを変えて
(ほとんど同じノリだけど)出現。
(今年は帽子がなかった)
それにしても、毎日会場に出現しているの
だろうか。
4日間あるから、今年は会えるかなぁと思っていたけれど。
去年は最終日だった。今年は初日。
今年は目が合って、微笑みかけられた。
私も着物を着ていたので、同類と思われたのか?

新聞の段組みを利用して黄金比を表現?
色ベタの面積と色合いがシンプルに構成されて
美しかった。

この言葉、スーパーでよく見かけるもの。
フリーハンドレタリングで書かれて、
わざわざ額に入れているところが
可笑しかった。

本物のイギリスの5ポンド紙幣と10ポンド紙幣で
作られたユニオンジャック。


結局11時半から18時過ぎまで会場で過ごして
しまった。それでもまだまだ見足りない感じだった。




Museo Correrでのオープニング2

 人ごみを押し分けながら、なんとか作品を見て回る。
ギャラリーは5つの小さな部屋に分かれていて
それぞれがなんらかのテーマごとに分けられて
展示されているようだった。

Adriana Seri (Italy)

イタリア人とあるけれど
どうも中央アジアにオリジンを持つらしい。
筆を使って漢字をアレンジした
面白い作品だった。

Carlo Buffa (Italy)

彼もイタリア人だけど
数年前からイタリアで書道を習い始めて、
今回は全く書道の作品を出していた。
解釈の仕方が面白いと思った。


Abdallah Akar (France, Tunisie)

フランス在住のアラビア語のカリグラファー。
30年以上のキャリアを持つ。
とってもカラフルで
こんなアラビックカリグラフィーの
作品を見たのは初めてだった。

これも同じAbdallahの作品。
これはコラージュ作品。
白い薄い布に文字が書いてあり、
帯のように作品の上に貼ってあった。
下の色が透けて見えていた。

Ewan Clayton (UK)

みなさんご存知Ewanの作品。

実はこの作品、裏側にも書いてあり、
Ewanは失敗した方に鉛筆で波線を描いた上に
"Not this side" と書いていたにも
かかわらず、そっちのサイドが展示されていた。
きっとそういう類のコンセプチュアル・アート
と思われたのだろう、と笑っていた。



今回はこの作品(Book)のみこの展覧会
のために書いたという。
京都でのことを日記のように綴ってあった。


私の作品は残念ながらガラスケースの中。
ブックの作品は今回すべてこうなっていた。


Monicaとおしゃべり。

今回のオープニングパーティーの様子が
YouTubeにアップされました。
お時間のある方は覗いてみてください。



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