Annの親友たちと小旅行−帰りの寄り道編

お腹いっぱいの朝食を食べて、
採りたての新鮮なサラダ
(こっちの人はサラダで食べるような葉っぱものの野菜をこう呼ぶ)
とwild garlicを袋いっぱいもらって、
採取した土も拾った小石もスーツケースに詰めたら
もうぱんぱん。すごく重くなってしまった。

「帰り道はExmoorに寄って帰りましょう。」
とのKateの提案で、北側の海へ向かって車を走らせる。
Moorとは、荒れた土地で、Heath landともいう。
中学生の頃読んだ「嵐が丘」に出てくる
ヒースの丘を見られる、と思うと
またしてもワクワク。
私の中のヒースの丘はあくまでも暗く、びゅーびゅーと風が
吹きすさぶ、荒れた土地のイメージだったのだが・・・・。

途中に見えた茅葺のおしゃれな家。
田舎に行くと、素敵なかやぶき屋根の
家がまだ結構残っている。
かやぶき屋根のカットはいろいろあって、
おしゃれな幾何学模様にカットしてあったり、
シンプルになにもなかったり。
鳥が萱を取っていかないように
ネットを被せてある屋根も多い。

1時間足らずでExmoorに到着。
Bristol海峡を望む荒れた土地で、
ここ一体がナショナルパーク。
空気が澄んでいたら対岸の街が見えるとのこと。
この日は霞んでいて見えなかった。

背の高い木は1本も生えていない。
嵐が丘のイメージはくらい冬だが、
初夏のヒースは明るく、太陽の光が
さんさんと降っていた。
それでも、荒れた土地の感じはよく伝わった。
丘を吹き抜けるビュービューという風の
音は途切れることはなかった。

こんなところでも羊が放牧されていた。

その少し先の山の中に突然現れたPub。
The Hunters Inn。
この辺りではとっても有名らしい。
どこから来たのか、すごい人で溢れていた。
古くて立派なPubだった。
私たちはここでお昼ごはんのサンドイッチを調達して、
車を置いてハイキングに出かけた。
一体どこにいくのだろうか?

Heddon Valley National Trustの
看板が遊歩道の入口に。
 

とってもきれいな小川の横の
遊歩道をどこまでも歩いていった。


水はとてもきれいだ。
まるで日本の山の中を歩いているような
錯覚におちいる。
水遊びしたら気持ちいいだろうな。

1時間弱歩いたころ、突然目の前が開けた。
なんと海だった。

そして、ここにも大量のワラビが
茂っていた。
帰りに摘んで帰ったのは言うまでもない。


山の中の小川がそのまま海に繋がって
きれいな水のまま海に流れ込んでいた。

この浜辺でお昼ごはんのサンドイッチを
食べることにした。
大きな岩の上に座って、チーズサンドと
プローン(小エビ)サンドを食べた。
パブのサンドイッチはボリューム満点。
半分でお腹いっぱいになる。

よく見ると、この浜辺も小石ばかり。
Bidefordの海辺と同じ石だ。

横にそそり立つ断崖絶壁の壁から
大小さまざまな石が波に削り取られて
落ちていた。


この小石たちのお母さん岩にあの白い線が
入っていた。


きっと大昔に、この岩の隙間に入り込んだ
クオーツかなにかがそのまま固まって
白い線になったのだろう。
そこからあの小石たちが産まれていたんだ!
Devonの北の海沿いの地層はこんな岩が
多いのだろうか?

波は結構荒く、たしかに岩を削っているようだった。

帰り道。道の両側をきょろきょろしながら
歩いていった。きれいな植物やお花がたくさん。
primroseの可憐な花が
あちらこちらに咲いていた。

人がひっきりなしに通り過ぎている
とてもポピュラーなハイキングコースにも
関わらず、周囲の景観は手つかずのまま
残されている感じが素敵だと思う。

The Hunters Innの裏庭でピクニックする
人々。少し遅い桜が最後の花を
咲かせていた。
その下にも座ってくつろぐ人たち。
きっと花見の意識はないんだろうけど。


車に乗って、山道をがたがた走ってしばらく行くと
目の前の鉄橋をなんと汽車が走っていた!
汽笛を鳴らして、煙をあげながら。

Kateはこの汽車のターミナル駅を知っていた。
すぐ近くだったので、車で駅まで走っていった。
すると、ちょうど汽車が駅に入ってくるところだった。

この路線は個人が所有するもので、
1日に1往復だけ走っているそうだ。

駅にはカメラを持った人が他にもいた。
はしゃぎながら子供たちが降りてきた。

Bishops Lydeard駅。
Kateが子供のころ過ごした街の近くの駅。
この駅は汽車のターミナル駅として残っている。


Kateがついでだから、と言って
彼女が産まれ育った村を通って、
住んでいた家の横を通った。
「ここから私は学校に通ったのよ。」
彼女が住んでいた家もかやぶき屋根の
立派な家だった。今は誰か別の人が
住んでいるという。


「この塀によくみんなで座って道ゆく人を
眺めていたわ。」と家の隣に残っていた高い塀を指すKate。
肉屋、郵便局、小学校・・・今では
違う店になっているけど、まだ当時の
ままの姿で残っている。
それってなんて素敵なんだろう。
50年以上も前に住んでいた村がそのままの姿をとどめている。
私の子供のころ住んでいた街の姿は、もうどこにもない。
私の記憶の中にだけある。

イギリスの田舎を堪能する旅はこれで終わった。
Bath駅に帰りの列車の時間の30分前に到着。
夜8時半の列車に乗ってロンドンへ戻った。
ロンドンの街でバスに乗り換えて車窓から外を眺めていると、
まるで別世界にいるようだった。
透明で美味しい空気がもう恋しかった。




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