Richard Kindersley workshop

 カリグラフィー友達のManishaと
Richard Kindersleyのworkshop(工房)を訪ねた。

お隣の家の番号。
もしかしたらKindersley工房が
彫ったのかも?
レンガに彫って金箔を施されている。

RichardはDavid Kindersleyの長男で
ロンドン市内でworkshopを開いている。
今2人の女性が弟子として働いていて
その日いたのはロ―ハンプトン出身のチェコ人で
ここに来て3年目という。

Richardと弟子の女性

私は去年のLetter Exchange LectureでRichardの
話を聞いて以来お会いするのは2度目だが
彼と個人的に話すのは初めてだった。

Lettercarvingは初心者の私と、
一度もやったことのないManishaを
仕事の手を休めて、とても丁寧に案内してくれた。
初歩的な質問にも、きちんと答えてくれた。

工房内に展示してあった
作品

金属をキャストした作品も

2階からみた工房
この部屋はクリーン・ルームと呼んでいた。
石を彫る作業の前のデザインをする部屋。


クリーン・ルームの上にある
図書館。
部屋の3面が本で埋まっていた。
ここで、じっくりと私たちの質問に
答えてくれた。
本当になんでもきちんと答えてくれて、
気がついたら2時間以上たっていた!


隣にある、石を彫る部屋。
クリーン・ルームと同じ広さだが、
大きな石でも動かせるように
天井にクレーンが付いていた。


左の作品は依頼されたもの。
鉄分が多いため表面が赤茶色になっている。

右の作品は文字の向きに合せて
石を回しながら彫ったという。

これはRichardの母親の墓石。
場所の準備が整っておらず、
まだ設置できないらしい。
めずらしい縦向きに彫られた文字。


午後、Manishaとお茶をしながら
Richard Kindersleyと言う人がどれほど親切で
Generous(気前のいい)な人か、と言う話で
盛り上がった。

とくに心に残っている言葉に、
「人生は短いのだから、自分が納得できない言葉は彫らない。
石を彫るのは時間がかかるからね。好きな言葉でなければ
仕事していて楽しくないだろう?」
彼は依頼の作品でも、ほとんど彼が言葉も選んでいるという。
依頼主が選んだ言葉でも、彼が気に入る言葉であることが条件。

「どんなに忙しくても、自分が自由に彫る作品を作る時間は
作らなければいけない。なぜなら、クライアントは私の過去の
作品を見てのみ依頼してくるのだから、自分の自分らしい
作品を作っておかなければクライアントに見てもらうことはできない。」

Richardは東洋の哲学に特に関心があるようだった。
自身もメディテーションをよくするという。
「いつも忙しくばかりしていたら、インスピレーションが
沸かないんだよ。静かにこころを鎮める時間を持つことが
とても大切なんだ。瞑想をしたり、じっと静かに花を見つめたりすることによって
インスピレーションが沸くんだよ。」

「テクニックのためにはクラシカルな文字を学ぶことが一番。
オリジナルな文字なんて、なかなか出来ないものだよ。
99,9%はそれまで自分が見てきたものから生まれるのだから。」

「自分の仕事がComfortableに感じるようになったら危険だ。
常にナーバスな感覚を持つ必要がある。」

「MusicとLetteringにはたくさんのコネクションがあると思う。」

彼は音楽がとても好きなようだ。特にクラシック音楽には詳しいようだった。
カリグラファーもそうだが、音楽と文字の関係は相当深い。

それから、Trajan column よりずっと以前の
碑文(ギリシャ文字)や、もっと庶民的なちょっと崩れた感じの
ラスティック体の碑文など、
さまざまな碑文文字をPCのディスプレー上で見せてくれた。
常に研究をしている、という印象を受けた。

T.S.Eliotやアフリカの原住民の言葉が好きなようで、
よく引用している。

David Johnsも好きで、哲学的で信心深い人柄に魅かれる
と言う。「彼の文字は決してナイーブというわけではなく、
意図的に崩してそのように書いているのだ。」と。

ちなみに以前ここのworkshop出身の弟子の中には
後にタイプデザイナーになった人もいるという。
Lettercarverの仕事は、ほとんどが文字のデザイン
というのも納得。

この後、トラファルガー広場へ行く。
National Portrait GalleryとNational Galleryに
寄った。

夕焼けがきれいだった
トラファルガー広場。

この日、学生デモが暴徒化して
policeが大勢出ていた。
ヘリコプターもずっと上で旋回していた。
歩いていると、
デモが横を通り過ぎていった。

この日の午後から夜にかけて
この辺りは車が止められて
歩行者天国となっていた。

気の毒に、この日車に乗って通りがかったチャールズ皇太子と
カミラ婦人は、学生デモから窓を割られ、車をペンキで塗られ、
カミラ婦人に至っては、棒でつつかれたとも。
ロンドンPoliceの面目丸潰れだ。

後日ラジオでこんな話をしていた。
「だいたい、イギリス国旗を車に立てているのが
間違いなのさ。だからすぐわかってしまう。
どこかのファーストフード店の旗でも立てておけば
絶対にわからないと思うよ!」

イギリスの王室はどこかの国と違って
庶民との距離が近いなーと思った。







コメント
コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

calendar

S M T W T F S
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
2728293031  
<< October 2019 >>

selected entries

categories

archives

recent comment

links

profile

others

search this site: