Paul's studio

約4か月振りにテムズ川南岸のクラパムにある
Paul Antonioのスタヂオを訪ねた。

実は、数日前ネットでいろいろと検索していたら
偶然Paulの画像に遭遇。
びっくりした。
これも何かの縁と思い、
彼のところにまた行ってみようと思ったわけだ。

不景気まっただ中なのに、Paulのスタジオは
仕事がてんこもりで大忙しだった。
私は1台のデスクをあてがわれ、
朝の11時から夕方5時までno.5のミッチェルニブで
高さ3ミリのXハイトでずっと書く練習をしていた。
時々Paulがチェックして、
「線の幅がまちまちだ。もっと正確にひかなきゃだめだ。」
といきなり線の引き直し。
文字を見て、
「まだウェイトが重い。ニブの幅よりも少しでも
太い線にならないように。すごく軽いタッチで書かなきゃ。
そして、何を書いてもいつも同じ長さになるように
リズムとスペーシングがコンスタントなのが大切なんだ。
なぜなら、名前や住所を書く位置が
ずれないようにするには、いつもどのくらいの
長さになるか書く前にわかっていないといけないから。
1度書いて長さを測るなんてことしないからね。」
と細かく注意してくれる。
「これは一般のカリグラフィーとは別物なんだ。
普通の人は手書き風を望むけれど、といって
あまりそろってなかったり、動きがあったりすることは
好まない。その間をうまく書くのが難しいんだ。」

そういう間もしょっちゅうクライアントからの電話が
かかってくる。
事務の女性がいて、クライアントの対応をしているが
Paulもよく電話に出ている。
今日は私のほかに、修行中のイタリア系イギリス人の
Angeloがクイックイタリック、
カリグラファーでATS卒業性のNicolaが
カッパープレートを練習していた。
そして、私はペンイタリックの練習。

「そう言えばPaulの画像を偶然インターネットで
見つけたのよ。」と言うと、
「Guardian紙が取材したんだよ。そしたら
先先週(2月20日付け)の土曜版に
"Disappearing acts ーThe art of calligraphy"
というタイトルでカラー写真入りで紙面の半分に
大きく取り上げられていた。」

「僕の母親が新聞の1頁に大きく僕の記事が載っているのを見て、
ものすごくびっくりして、すぐおばに電話したんだ。
僕もまさか自分の国の新聞に取り上げられるとは
思っていなかったから、母親に話してなかったんだよ。」
彼はカリブ海に浮かぶ小さな島
Trinidad and Tobagoという国の出身。
それまでそんな国の存在すら知らなかったが
元イギリスの植民地で今は独立して
共和国となっている。
人口134万人足らずという、本当に地図上では
小さ過ぎて見えないくらいの島である。
ガーディアン紙に載ったので、
国の出身者ということで
ガーディアンの記事に彼のこれまでの履歴なども付け加えて
1頁全面に大々的に取り上げられたらしい。
彼の母親はそれはそれは喜んで周ったらしい。
見たこともない彼のお母さんが新聞片手に
喜んで近所や親戚中に話している様子が目に浮かんだ。

いつになったら実際に封筒のあて名書きを
させてもらえるんだろうか、
と思ったが、これもいい練習、と思いなおした。
実際、来たときと6時間後では文字が
明らかに違っていて、
軽くてリズミカルでそろっているように見えた。

「今週はこんな風でかなり立て込んでいるから
来週のいつかまた来てくれる?今度は封筒に書いてみて
どんな感じかみてみよう。」

こうなったら、仕事をくれるまで通ってみるか。






コメント
お久しぶりです

トリニダートトバコ人って懐かしい
私が3人で暮らしていた時の
フラットメイトは
トリニダートコバコ人と
アフリカのナイジェリア人
だった時があります

でも、その時
トリニダートトバコは
小さい島だから
人口4万人くらいで
皆、顔見知りと言ってました

134万人もいたんですねえ

日本に帰ってきてからは1度
中山美穂と小泉今日子が旅した
番組をテレビで見ました

建物や自然の色とかが
まさに別世界でした
…いつか行って見たいなぁ
  • yukiko
  • 2010/03/04 12:46 PM
トリニダートトバゴ出身の人って
結構イギリスにはいるのでしょうか?
アフリカ系は多いなと思ってましたが
その中にはトリニダートトバゴ人も
含まれているのかもしれませんね。
見かけだけではわからないから。
そう言えば、ビッグイシューの販売員も
アルメニア人とルーマニア人が多いです。私には区別つきませんけど。
大抵英語がほとんどしゃべれないので
見た目はイギリス人でも話せばわかりますが。
  • Sakura Torako
  • 2010/03/05 7:24 AM
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