ポケットの中の庭ーハンドメイドブック展

 Bookbinding展のお知らせです。

『ポケットの中の庭ー初島さつきハンドメイドブック展』
   -a book is like a garden carried in my pocket-


  












日時:2014年9月19日(金)〜23日(火)11:00−18:00

会場:ぎゃらりー島津 福岡市中央区薬院4丁目18−21 1階
電話&ファックス:092-532-9980

地下鉄七隈線「薬院大通」から徒歩5分
日鉄バス「南薬院」から徒歩1分

会期中毎日、カリグラフィーと
ブックバインディングのデモンストレーションを
会場で行っています。

初日11時より、会場正面のガラスにカリグラフィーの文字を書くパフォーマンスを行います。

体験ワークショップ
昔ながらの本の背を綴じる道具。
一度に何冊も綴じることができる。

製本は全く初めてという方も、
製本についての簡単な仕組みとおもしろさを体験してみませんか。
1、9月20日(土)13:30−15:00 和綴じ本の制作
・手漉き和紙を使って、B5程度の和綴じ本を制作します。
参加費1500円(材料費 500円程度)

2、9月21日(日)13:30−15:30 マルチセクションノートブック
・糊を使わず、糸だけでページ数の多い本を綴じる製本技術です。
参加費2,000円(材料費 500円程度)

※どちらのコースも道具類はお貸しいたします。
定員:各回4名
事前のお申込みが必要です。
定員になり次第締め切らせていただきます。



手製本(ハンドメイド)の本は仕立屋さんにオーダーメイドしてもらった
服に似ている。特別に自己主張はしないが、
使えば使うほど手になじんで愛着が湧いてくる。
いつも傍らに置いておきたい、
触れることで癒されるような
そんな本との出会いを体験してみませんか。

今回、素材もできるだけ自然素材を使いました。
和紙、麻、綿、シルク、羊毛、革・・・・
作家がイギリス滞在中に学んだ中世より伝わる伝統的な製本と、
日本の和綴じ本、そして
Book Artと呼ばれるアートとしての本を
1冊1冊心を込めて作りました。




♡ ♡ ♡ ♡ ♡  ♡                                       
今の時代、手で製本した本にお目にかかる機会は
めったになくなりましたが、和装本は平安時代に考案され、
洋装本は明治の初期に西洋文化とともに紹介されました。
昭和の時代に入ってからも戦後しばらくは
職人さんによる手仕事で作られている本も少なくなかったようです。

今は機械化が進み、大量生産が可能となり、手仕事による製本は
すっかり影をひそめています。

打って変わって、イギリスにはまだたくさんの製本職人が
活躍しています。
そのほとんどの仕事が古い本の修復作業です。
個人の蔵書から、公共の図書館や大英図書館、大英博物館に収められている
国宝級の豪華な写本まで、さまざまな本の修復をするために
職人の手仕事が必要とされています。
若い製本職人もどんどん育っています。
職人さんの間では、手間暇かけた美しい本や
21世紀的なモダンな装丁の本作りを競う、
コンテストもいくつもあります。
その中で多くの日本人も活躍しています。

ロンドンで出会った日本人の製本職人さんに尋ねました。
「日本に帰国して製本のお仕事をされる予定は?」
その若い女性はこう答えました。
「日本では仕事があまりないようなので、帰る予定はありません。」

西洋の製本職人さんが修復に欠かせないという物のひとつに
日本の手漉き和紙があります。
貴重な写本の修復の必需品として、どこの国でも製本をする人はみんな
和紙を使用しています。
その和紙が簡単に手に入る日本で、是非和紙をふんだんに使った
美しい手製本をもっと身近に感じられるようになってほしいと
願っています。
そして、いつか日本でも製本職人による仕事が増え、職人として
生活していけるような文化がまた根付いていってくれる日が来ることを
夢見ています。

注:日本にも製本職人さんは少ないようですが、いらっしゃいます。
製本を一から学べる学校や工房もあります。






 

Conservation tour2

 2週間前に参加したBritish LibraryのConservation tourに味をしめて
今回2回目のツアーに参加。内容はこの前と違って
比較的一般的な本の修復作業の見学だ。
とはいっても、古い本やドキュメントなどさまざま。
場所も別棟の修復作業専用の建物の中。
最上階(3階)は天窓からの自然光でとても明るく、
体育館の半分ほどもあるような広い部屋で
数人のconservatorたちがきちんと片付いた机の上で
それぞれの作業をしていた。

今回のツアーには10名が参加。
お年寄りが結構多い。
案内人のMartynは前回とは違う人だ。
Francesは前回も案内してくれた。
どちらもconservatorとしてここで働いている。

まず作業部屋の見学の前に廊下にディスプレーしてある
finishing用のこてのコレクションを見学。
さまざまな縁飾りやアルファベット、
とても大きな模様やカリグラムなど
gold leafで革に押したサンプルと共に
壁際のガラスケースに並べてあった。
「これらはすべてBritish libraryで代々使われてきたものなんだ。」
とMartyn。彼の興味深い話は続く。
「ところで、タイタニック号にはとてもゴージャスな
写本が一緒に乗っていたんだ。NYのライブラリーに
運ばれる途中だったんだ。今は海の底に眠っているけど。
僕はそのコピーを見たことあるけれど
宝石がたくさん散りばめられてとても美しい写本だった。」
調べてみるとどうもその写本は
Omar Khayyamという11世紀ペルシャの天文学者で詩人による
詩集「Rubayyat」らしい。
そういえば、最近もBritish Libraryでこの本のコレクションが
いろいろ展示されているのを見た。
かなり有名な本のようだ。(私が知らないだけかも)

いよいよ作業部屋に入る。
最初に見学させてもらったのは
まだ40代くらいの男性のconservatorの作業台。
彼は20世紀初期のスクラップブックを
修復していた。
個人が収拾したと思われるさまざまなpoliticalなちらしや
集会などの資料が大き目のスクラップブックに
貼り付けてあるが、かなりボロボロな状態だ。
この当時の紙は中性紙ではないので酸化して
劣化が著しい。
ページもはずれて、汚れも目立つ。
これをすべてはがして、1枚1枚真水で洗浄し
ボロボロな紙は薄い和紙ではさんで丈夫にして
手で扱えるようにする。
このクリーニング作業、200時間もかかるそうだ。
気の遠くなるような作業を1人でこなす。
ちなみに彼は4年間ここで見習い生として働いて
正式に職人となった。
今ではこの見習い制度、なくなってしまったという。
だから、大学で修復を学んだ学生が見習いなしで
職人になるわけだが、直接先輩の職人から
技術を学べる見習い制度があったほうがいいと、
彼は言っていた。
もちろん、大学でも修復の実技は学ぶらしいのだが。

次に訪れた机の上では、女性のconservatorが
ユダヤ教の聖書の巻物を修復中。
1470年のもので、上と下の両側から読めるように
挿絵と文字が書かれているユニークなものだ。
参加者からの質問。
「文字が消えていたら上から書いたりしますか?」
Conservator「いいえ、私たちはあくまで本の汚れを取ったり、
強度を持たせたり、破れているところを修復する作業はしますが、
できるだけここに持ちこまれた状態を優先します。ですから、文字が
消えかかっていても書いたりすることはありません。」

そういえば、前回のツアーで見た本の中に、ブリキのようなスチール製の本があって、
ページがぼこぼこになっていたが、それをハンマーでたたいて
まっすぐにすることはしない、と言っていた。

次に移動した部屋は、窓際のひときわ明るい部屋で、
女性のconservatorが"Telescope of View and the thames"(19世紀)
といういわゆるトンネルブックを修復していた。
じゃばら部分がシルクでできており、とてもフラジャイルな感じ。
本を入れるボックスがかなり傷んでいた。
そのため、本体とボックスは別々に分けて収納できるような
容器を制作していた。ボックスが潰れないように支える中身
(発砲スチロールのような)を入れ、本も平たく収納する。
古くて壊れやすい本はたびたび平置き収納にするようだ。

1980年代の日記はセロテープでぼろぼろになった
背(spine)の修復がされており、それをまずはがさなければならない。
水性インクが使われているので、水で洗浄することができず、
この本はspine bindingのみが施されていた。

15世紀のlatinのMS(写本)は中の頁がかなり切り取られたりしていた。
ほとんど根元を残して切り取られたページもあり、
(昔は図書館のMSは簡単に閲覧できたので、美しいページは
このような被害によく会っている。)
その切り取った下の頁も切れてダメージを受けていた。
切られたページはどのようにくっつけるかと言うと
小さく切った(5mmx2mmくらい)和紙をピンセットで
行間に貼りこんで目立たないように切られたページを
つないでいく。
文字に重ならないように行間に貼って行く作業は
本当に細かい。糊はpaste。
扱いは素手で。手袋はかえって本を痛めてしまう。
修復作業は時に科学的な知識が必要なこともある。
素材などどのように扱っていいかわからなくなったりしたら、
サイエンティストの意見を参考にするという。
ちなみに、切り取られたページはそれ以上修復しない。
そのままの状態で保存するそうだ。

最後に訪れたのはFinishing studio。
いわゆる金箔でタイトルなどを背表紙や表紙に刻む作業だ。
この作業はここBritish Libraryのconservator50人の中でも
わずか2−3人しかできないそう。
様々なタイプフェイスが入った引き出しがついた棚がいくつもあり、
様々な書体とすべてのサイズがそろっている。
ここでは修復というよりは、新たに表紙を付けられた本たちに
タイトルを入れる作業をしている。
まず、書体選び、下書き、スペルチェック、スペーシングチェックをして、
紙に試し押し。それから、実際に押す革の状態によって
glain(革のしわ)が大きい革はスムーズにするため
熱いこてをあてて平にする。
金箔をコットンで持ちあげ(彼は額の油をコットンにつけていた)
革にのせる。
糸をピンと張って、水平ラインの印を付け、
あらかじめ組んでおいたタイプフェイスの中心から端までの
距離をディバイダーで測り、
金箔の上に印をつけ、
熱した組版を金箔の上から3秒くらい押す。
その後コットンで余分な金箔をふき取る。

熱した組版の温度調整がすごく難しそうだった。
なんどもこての先につばをつけた指をあてて、
ジュッと蒸発する感じで、こての温度を測りながら
「うーん、まだ熱すぎる」
といいながら濡れた布に当てて冷ましていた。
本当に職人技は身体で覚えるしかないのだ。

ツアー時間の1時間を大幅に過ぎ、あっという間に1時間半が
経過していた。
今回のツアーには質問をやたらする人が多く、
ちょっとまどろっこしい場面もあったが
(写本を初めてみたような人もいるので)
1度のツアーではこのくらい見るのが精いっぱいだろう。
やはり何度も通ったほうがいいようだ。

次回この国に来る機会があればまた是非参加したいと思った。
明るくて素敵なカフェにも入ってみたいし。










Conservation tour

以前から行きたいと思っていたBritish Libraryの
Conservation tour(修復作業見学)に
やっと参加することができた。
去年の夏思い立って調べたら、8月9月はツアーがなくて、
そのままになっていたのだ。
もうすぐ帰国なので、早いところ行っておきたい場所に
行かないと、行けずじまいになってしまう、と空いている日に
どんどん予定を入れている。

そのツアーは月に2回、第1と第3木曜日の14時から
定員8名と12名で無料で行われている。
今日も定員の8名が集まっていた。
人気のあるツアーらしい。

入口のインフォメーションデスクの前で集合。
ツアーのコーディネーターのRobertがちょっとなまりのある英語で
説明をはじめる。彼自身も修復の作業に携わる。彼のもとでは6名の
職人が働いているという。

メインビルディングの裏に新しく建った
Conservation Centre。
その前にはカフェのテーブルといすが
たくさん並んでいて、
多くの人が初夏の陽ざしの中で
くつろいでいた。
街中にしては、広くてゆっくりとできる
いい場所だ。


今日のツアーはメインビルディングの最上階(6階)
の修復作業室を見学。このビルディングでは
なかったが、終わった後にRobertが
案内してくれた。

ツアーはノートと鉛筆の持ち込みのみ。
カメラやバッグはロッカーに預ける。
20代の若いカップルから、
70代くらいのお年寄りまでいろいろな
人が来ていた。
みんなとても熱心で質問や自分の経験話
(1人ボランティアで修復作業に
かかわったことがあるというご婦人がいた)
をよくするので、時間がかかって、終わったのは
3時40分くらいだった。(1時間程度の予定が)

BLCC(Blitish Library Conservation Centre)
の入り口の部屋では、修復作業の過程がわかりやすく
解説してある。
実際の道具や工程のビデオ、音声もついている。
 


修復が必要な本のサンプル。

革を薄くする作業に使う道具。
Gold finishingの道具も。
金箔の上から模様や文字の型の
熱した金属を当てて模様をつける。

Finishingの作業に使われる道具と材料。

展示台の下の引き出しには
各工程で使う道具と材料を
わかりやすくまとめて説明が
書かれている。
これは紙の修復用道具。
ちなみに、紙の修復専門の
職人も作業チームの中に何人もいる。

ソーイングマテリアル。
カーブした針もある。

表面の汚れを取る技術。

背の修復や貼り替え作業。


本によっては、バインディングし直す
場合もある。

古いバインディングの技術。
麻の紐に絡めながら、綴じていく。

ヘッドバンド(花切れ)も糸で巻きながら作る。
修復作業では出来合いのものなど使わない。

Finishingの工程。


この部屋の奥にさまざまな修復作業の
様子がビデオで流れている。
これはパピルスの修復の様子。

ピンセットを使って、Japanese paper
を細かく切ったものをペーストで貼っていく。

パピルスは縦と横に繊維が貼り合わせてあるので
その繊維の向きに沿って、細く切った和紙(2mm×7mmくらい)を貼り、薄くなったところや
切れている場所に橋渡しするような感じで
補強していく。


和紙の繊維は長くて強いという説明があった。
世界中の修復作業を支えているのが
日本の手すき和紙なのだ。
なのに、日本では手すき和紙職人が、
どんどん減っていっている。




これはマップの修復。
上にMelenexという透明フィルムを載せて
形を取っている。

このMelenexというフィルム、修復では
よく使われているようだ。
手で直接触ることに耐えられないような
古かったり、貴重な本は、修復作業の後、
このフィルムで覆って手や空気に直接触れない
ようにしてしまう。

和紙を貼っているところ。

絵具が粉状になって剥がれ落ちそうに
なっている場合は「ふのり」を
スプレーで表面にかけて
絵具を定着させたりもする。
「ふのり」は昔洗髪に使われていたのは
知っていたけど。
ここでも日本の修復技術が活躍。

修復作業室は、整然と片づけられていて、
白衣を着た女性が、まるで科学の実験のように
作業をしていた。
ひとつひとつの工程を確実に、正確に処理する
必要があるのだから、整理整頓は当然だろう。
見習わなくっちゃ。


今回は一般的な本の修復ではなく、巨大なマップや、インドのFalk Art、
縦横1m×1,5mくらいの巨大な絵画を綴じた本とか、どちらかというと
Artの要素の強いものの修復を見学した。
案内のRobertの言葉を借りて言うと、こういうものを
"Sexy Conservation"と言うそうだ。
彼は一般的な本の修復に携わっているので、
こういう"sexy"なものの方が
見ていてとっても楽しい、と言っていた。
「どんなに珍しい中世のMSでも、毎日見ていると
飽きてしまうんだよ。」

修復作業というのは、必ずしも新品同様にするというものではなく、
どこまで手を入れて、どこまでそのままの状態を残すか、というのが
作業員の判断のしどころだ。
今回メタルでできた本の修復も見せてもらった。
スズでめっきしたスチール製の頁が綴じてある本だった。
スチールの頁がところどころ曲がっていたが、
あえて彼女は叩いてまっすぐにのばさないことにした。
「なぜなら、この状態で持って来られたのだし、多少曲がっていても
鑑賞する妨げにはならないと判断したから」と言う。
1ページずつ、Melenexの袋で覆い、壊れていたスパインを修理し、
おおきなタッパーウェアに緩衝材を入れてベッドを作り
乾燥材と湿度計を入れて、その中に保存する。
できるだけ、一般の市場にある道具を使うという。
でないと、修復作業専門の材料や道具はとても高いから。
「酸化度などいろいろなテストをして大丈夫でしたから。
口に入れるものを入れる容器として安全なら、本なら大丈夫でしょう。」
と笑って言っていた。

このConservation tourは毎月2回開催されていて、
インターネットのサイトから申し込みができる。
内容はその時によって違うので何回見ても飽きないと思う。
ちなみに私は一般的な本の修復作業も見たかったので
第3木曜のツアーを帰りに申し込んだ。
幸い、まだ空きがあった。

ツアーの後、私1人だけなのに、展示室の説明を一通りして
聞いてもいないのに、使い方まで詳しく教えてくれたRobert。
彼の修復作業室も是非見たいと話すと、
"I hope to see you again soon!"と手を振って
上の修復作業室へと戻って行った。





Conservation−本の保存技術について

 月に1回Designer Bookbindersのレクチャーが
Art Workers Guildで開かれている。
Letter Exchange Lectureと同じ場所だ。

2月のタイトルは"Conservation and preservation in the
Paker Library at Cambridge University: Past,
Present and Future.
ケンブリッジにあるCorpus Christiカレッジにベースがある、
ケンブリッジ・カレッジの古書の保存協会のヘッドである、
Melvin Jeffersonのレクチャーだった。
彼は最初bookbindingを、後にbook and paper conservationを
ケンブリッジで学んでいる。

このケンブリッジにあるCorpus ChristiのParker Library
3人の専門家が常に本の保存や分類などの作業に従事していて、
館内の温度、湿度を常時一定に保ち、古い写本が傷まないよう
最新の設備を兼ね備えたすごい図書館のようだ。

彼は昔の図書館と現在の図書館の写真を紹介していた。
昔は棚にずらっと普通に並べられていた写本が
現在はガラスの扉が付いた本棚の中に、
同じサイズの引き出しが何十も並んでいた。
写本は立てておくよりも、フラットに保存した方がよいとのこと。
1冊1冊1つの引き出しの中に入れ、動かないように
その写本と同じ大きさに合せた布張りの箱を引き出しの中に
作り、大切に保管されている。

彼らはすべての写本の頁をデジタル撮影し、
それをネット上で無料で公開している。
(こちらParker Library で見られます。)
その撮影の際の苦労話のいくつかを以下に紹介します。

写本の中にはあまり開かなくなったものもあり、
ノドの近くの部分の撮影ができない。
そこで、一旦本を解体し、綴じなおして(Rebind)
90度以上開くようにしたという。
また、湿度でカビが生えベラムに書かれた
文字のインクが浮き上がって、
剥がれ落ちているものもあった。
かなり小さい文字である。
彼は顕微鏡を覗きながらピンセットを使って
文字の下に糊をつけ、1字1字貼り付けていったという。
何十(何百?)ページあったのだろうか・・・・気が遠くなりそうな作業だ。
"It was a time consuming work!"
(ものすごく時間のかかる仕事だった!)
また、ある写本のイルミネーションの部分が
ひび割れて絵具が落ちているところも見つかった。
本当に温度と湿度の管理にはとても神経を使っているという。

撮影は特別な本を置く台を作り、ページを痛めないよう
ページの端を押さえる小さなクリップで8か所止め、
素手で1ページずつめくって、固定カメラで撮影していく。
よく、本を扱う時は手袋をした方がいいと思われているが、
それよりもきれいな素手で扱った方がいいそうだ。
手袋をしていると滑ったりしてかえって手間取ってしまう。
その方がページを痛めてしまうらしい。
それはクラフト・スタディセンターの学芸員が話していた。

この写真撮影の時も、確かに素手でページをめくっていた。
そして、撮影するスタジオの中の温度と湿度も
もちろん図書館と全く同じに保っている。

このParker Libraryは木曜日の午後に一般にも公開されているという。
午後2時から入場できるそうで
ケンブリッジのツーリストオフィスで予約できるとのこと。
有料で1人£12、パンフレットとガイド付き。

彼の話の中に何度も出てきたJapanese Paper。
修復作業で使われていた紙はほとんどが和紙だった。
KOZOという名前も度々出てきた。
本の修復、いやBookbindingの世界で今や和紙は
欠かせない存在になっているようだ。

Bookbindingの先生、Geneも常々こう言っている。
「Japanese paperは世界で一番クオリティーが高いからね。」
そんな素晴らしい紙が身近にあるなんて、なんてラッキーなんだろう。





レザーファクトリー


 Bookbindingクラスの先生Geneが
「今度はフルレザーのbookbindingだから、
大きなレザーが必要になる。もしよかったら
このファクトリーを訪ねてみたらいい。
レザーが作られる工程がわかるし、いろいろなレザーを
選んで買うこともできるから。」

Londonの北Northamptonshireに
家族経営しているbookbinding専門のleather factory
Harmatanがある。
早速連絡を取って訪問することにした。
ロンドンから列車で1時間足らずの郊外にその小さな工場はあった。
駅までとってもフレンドリーな社長のMarcが直々に迎えにきてくれた。

その工場は社長の父親と社長の兄弟と従業員4人の合計7人。
社長とセールスマネージャーのLee以外は
無口でいかにも職人らしい。
真剣な眼差しでレザーのチェックに余念がない。

ナイジェリアからすべての
goat skinを輸入している。
届いたレザーを1枚1枚丁寧に
チェックしている従業員。


ナイジェリアから届いた
染める前のレザー。

まだ革の裏は薄く削っていないので
ごわごわしている。

第一工程
First shaving

まず届いたレザーをこの機械に挟んで
フレッシュサイドを上にして削る作業。
0,9mmまで薄く削れる。


削りかす。

第二工程
Wash → retan → dye
1度に60枚のskinが入れられる。

大きなドラムに削った革を入れて洗う。
Leeが言うには、ナイジェリアから届いた
革は、重くするために(重さで値段が決められる)
ダストがたくさん付いてくるから、よく洗う
必要があるそうだ。


洗っている途中の革。
濡れてとても柔らかくなっていた。









その後、Sumacという樹木の乾燥した葉の粉末
を入れて、再度ドラムの中でなめしの作業をする。
この時水を少なめに入れる。
その方が革のgrain(模様)がよく浮き出るから。

次に染めの作業。

この1連の工程(wash-retan-dye)だけで丸2日間かかる。
染めの作業は大変で、職人の勘と入念なチェックが欠かせない。
なぜなら、染料の量のさじ加減で色がかなり違ってくるからだ。
染料は最初は見た目ほとんどこげ茶色でどれも変わらないが
洗い流すと本来の色が出てくる。
だから、ドラムを回しながら、途中革の端を切って
洗って色目を確かめながら調整する。
革は大きさも違うし、その時の温度や湿度によっても
色の出かたが微妙に違ってくるので
できるだけ見本の色に近づけるよう微調整するのが、
職人の腕の見せ所。
このドラム専門の職人は毎回染料の量を記録している。
例えば、薄い空色のレザーとインディゴのような濃いブルーの場合、
どちらもおなじ染料だが、
空色の方は80g、インディゴの方は5kg(どちらも60枚分)
と言う具合だ。しかし、完璧に同じ色を再現するのは
難しいとのことだった。


これがsumacの粉。
ターメリックに似ている(?)








第三工程
horseと呼ばれる台に染め終わった革をかけて、
水が滴り落ちないくらいまで乾かす。

この木の台がHorse。
何枚もの革が掛かっていた。
下は滴り落ちた水で濡れていた。

第四工程
工場の上の方に革を干す金属製のすのこのような板があり、
革が2枚ずつピンと延ばして干してあった。
ここで皺を伸ばす。
季節によって乾く時間はまちまちで、
雨が降ったり湿度の高い冬などはなかなか乾かない。
数日かかることも。

革の上の方の色が薄くなっているが、
そこから乾き始めているのがわかる。

乾いた革を見せてくれるLee。
端を止めていたピンの跡が残っている。
硬くてバリバリ。

第五工程
Hand polishing
乾いた革を特殊な液体をかけて
手で磨く作業。

ポリッシュ用の液体を
拭きかけているところ。

この液体はミルクが原料という。
昔はセミスキムミルクを薄めたものを
使っていたそうだが、
今は工業製品用の使用が認められていないので
このmeliotopという液体を使用している。
ドロッとしている。
「ミルクが原料なら舐めても大丈夫なの?」
との問いに、
「僕は決して舐めようとは思わないけどね。」
とLee。

すべて革は手で磨く。
1日120枚磨いていると言う。

この磨くのに使う道具は手作り。
取っ手の部分は木で、
中にプラスチックの板が入っている。
それに被せているのが、タイヤのチューブの
中の部分。
このヘラにさらに布を巻いて
(この布も3層構造になっていて、
中にゴムが挟んである)それを両手で
持ってこする。

こんな風に革をまんべんなく磨く。
機械もあるが、機械だと重なったところに
ラインができてそこが目立ってしまうそうだ。

「だけど、何だって磨くことはできるんだよ。
こうやって服で磨いてもね。」と言って
自分の服の端で磨いて見せてくれた。
適度な弾力性がある方がいいらしい。

第六工程
Second Shaving
最初の削り機よりも小さい削り機で今度は
3−4回に分けて裏を削る。
ポリッシュした後に削る理由は、
削った段差がほんの僅かでもあると、
ポリッシュした時にその段差を目立たせてしまうから。
 
shaving machineに実際革を挟んで
見せてくれているところ。
「0,7mmまで薄く削ることができるよ。」

これで作業は終わり。
次に革のサイズを測る。

革の裏にはサイズが書いてあり、
6とか7とか、8とか。
すべてsquare feetの表示なので
ピンとこない。
6は6square feetだから1sfの6個分。
1sfが約30cm四方。
数字の右上に書かれた小さな数字は
1が1/4、2がハーフ、3が3/4feet。
複雑な形をした革をどうやって計るのか
とっても不思議だった。
そして、その複雑な革の面積を正確に測るのがこの機械。

台に革を置いて、機械に入れて行くと、
中にたくさん並んでいる歯が革の形を拾って
上にあがったり下がったり。
その動きで計算する。
穴があればそれもきちんと拾ってマイナス
として計算する。




サイズが書かれて販売できる状態になった
革たち。
中にはとても微妙な色合いの
美しい革もたくさん!

これは、Fine leatherとPigmento finishの見本。
ここで言うfine leatherとはnaturalな状態
のレザーのこと。
pigment finishとは、本物のレザーだが、
傷などがとても多くてそのままでは使えない
ような革でも無駄にしないために
他の革のgrainをプリントしたレザー。
右側がプリントした革。

グリーンの革がpigment finish。
表面にプラスチックのコーティングを
施しているため、光沢があり、
見た目も手触りも硬くて
冷たい感じがするが、汚れにくくて丈夫。

聖書によく使われているとのことだった。
たくさんの人の手によって触られるから。
全く同じ模様の革がたくさん必要な場合など
には適している。
4トンもの圧力で型押しするそうだ。
「手間はこっちの方が掛かっているのに、値段はなぜか安いんだよ。」
とLee。

とても狭い工場の中をうろうろして写真を撮っても
誰もいやな顔一つせず、質問にも丁寧に答えてくれた。
約2時間近く工場見学と説明を受けた。

販売用のレザーが収められている棚。
グレードが1から3まである。
普通ブックバインディングには
グレード3で十分。



入った途端に革の匂いがぷんぷんしていた。
本当に目移りしてなかなか選ぶのが
大変だった。

ちなみに1sfがグレード3で£6,15(VAT別)。



帰りも駅まで送ってくれた社長のMarc。
「うちは世界中に顧客がいて、イギリス、ヨーロッパをはじめ、
アメリカにもたくさんいるんだ。日本にも個人の顧客がいる。
有難いことに本当に忙しいよ。
きっと人々は手作りのことがしたいんだと思うんだ。
ブックバインディング、マーブリング、シルバージュエリー、
陶芸・・・どこのコースも結構人でいっぱいだ。
みんな手を使ってクリエイティブなことをしたいんだと思うよ。
仕事ではコンピューターばかりで頭が疲れているからだろうね。」
と話を持ちかけるとどんどん饒舌になっていった。
「職人だったら、使う材料のことをもっとよく知る必要があると
僕は思うけど、ここまでレザーを買いにくるブックバインダーは
とても少ないんだよ。それは変だと思うな。」

「この仕事をする前はどうしていたのですか?」
Marc「この仕事を始める前はロンドンで全く違う仕事についていた。」
「この仕事に代わって幸せですか?」
Marc「もちろん、以前の仕事に比べたらずっと楽しいし幸せだよ!」

この後娘を迎えに行かないといけないんだ、ととっても忙しそうだったMarc。
しかし最後まで気持ちよく見送ってくれた。

夕方とても冷たい風が吹いて来て
また寒さが戻ってきた感じだったが、
心はなんだかぽかぽかとして冷たい風さえも
心地よく感じてしまった。
さて、買ったからにはこの革を使わなくちゃね。




Reading room in British Library

 思い立って久しぶりにBritish libraryへ足を運ぶ。
そう言えばまだReading room(閲覧室)の利用をしたことがなかった。
この部屋を利用するにあたっては、
あらかじめ登録してカードを作成しておく必要がある。
必要書類に記入すれば、イギリス在住者であればだれでも登録できる。

カードを見るとちょうど1年前に登録していたことがわかった。
普通は1年しか期限がないのだが、幸い私は3年の期限があったので
使うことができた。
よかった!

まず、ロッカールームに行き、
規定の透明ビニル袋に鉛筆、消しゴム、貴重品、ノートなどを入れ、
(飲食物、かばん、カメラ、鉛筆以外の筆記具は持ち込み禁止)
その他の物をロッカーに預ける。
そして、自分の調べたい本のある閲覧室へ。
'Manuscript'と書いてある閲覧室があったので
迷わずそこへ入る。
入口で係の男性にカードを提示して部屋に入ると、
結構広くて空いていた。
他の部屋は空いた机が午後になるとほとんど見つからないことも
あるらしい。
1人1メートルはある広い机に1つずつ写本を載せるための
スポンジの台が置いてあった。
利用者の中には、すごく古そうな写本をその上に置いて、
書き写したりパソコンに入力したり。
最近はパソコンを持ち込む人が多い。

British Libraryの館内は閲覧室でなくても
いたるところに電源があって、
インターネットがどこでも繋がるので、
椅子やベンチが空いていない時は
床の上などでパソコンに向かう姿もよく見かける。

初めてだったので使い方が分からず、
係の人に尋ねる。「初めてでどう探したらいいか
分からないんですけど。」
係の男性はとっても親切に説明し始めたが、
理解できてないような私の顔を見て
「では案内しますのでついて来てください」
と言ってカウンターから出てきてくれた。

10世紀ごろの写本を見たい、との要望に
「タイトル、著者、出版された国などが分からないと
探しようがないのですが・・・・。」
私が、カリグラフィーを学んでいること、
とにかく手書きの写本を見たいこと、などを伝えると
「それならpaleography(古文書学)ですね。
ではこの辺りの本はどうでしょうか」
とある書棚につれて行ってくれた。
そこにはカリグラフィーや写本関係以外にも
イギリスやイタリア、フランス、ドイツなどの
古文書(写本というよりもドキュメント)研究の本など
さまざまな本がずらっと並んでいた。
今まであまり目にしたことがない本ばかりだ。
目移りしながら6冊〜7冊抜いて来て
自分の席でゆっくりページをめくる。
あっという間に2時間が過ぎてしまった。
久しぶりに鉛筆でノートを取り、
なんだかとても懐かしくてうれしかった。
学生に戻った気分。

いわゆる写本と呼ばれる物はおそらく事前に申し込んで
奥の書庫から出しておいてもらう必要があるようだ。
次回はそれをしてみようと思う。
どんな写本が見られるかとても楽しみ。








ロンドンの古書店

 先月、ロンドンにいらしていた
高宮先生から、一番お勧めの古書店を
教えていただいた。
先生もよく行かれるらしい。

そのお店はロンドンでも中心部の
高級ブティックとガードマン付き豪邸が
立ち並ぶ一角にあった。
Maggs Bros Rare Books
1853年創設という歴史ある古書店だ。

入口はクリスマスの飾りつけが
施されていた。

先生の助言通り、事前に電話を入れて訪問。
写本やミニアチュールが担当のJonathan Reillyさんが笑顔で迎えてくれた。

余り広くないその部屋の書棚には、
とても魅力的な古書がぎっしり。
掌に乗せられるくらいのヴェラムの表紙の16世紀の古書もあった。

高さ12cmくらいの小さくて
上品なヴェラムの表紙の本。

本の背をmull(寒冷紗)の代わりに
なんと古い写本のヴェラムのページを
使って装丁していた!

MS(写本)はすべてリーフしかなく、
1冊丸ごと、というのは今はないとのこと。
そういうのは出ても、すぐに購入されてなくなるそうだ。
そういうのはあまりないので、
待ち構えている人がいるということか。

大きめの透明ファイルには
15世紀〜18世紀くらいのリーフが
たくさんはさんであった。
本の表紙に使われていたものもある。
19世紀に、写本のページをバラして、
新しい本の装丁の材料に使うことがよくあったらしい。
文字が美しいものや写本としての価値があると思われたものは
そういう表紙をはがして写本のリーフとして
売られていた。折り目がついたまま。
一番古いもので15世紀の初期のゴシック体のものがあった。
まだローマンの名残のある、丸みが残った書体。
文字はきれいで、裏表両面書かれていて、
広げたらかなりの大きさ(A3程度)があった。
残念ながら表紙の折り目がついていたが、
£200はお得かもしれない、と思った。

大きなデスクの下に引き出しが何段かあって、
開けると美しいMSのリーフが
きちんとマットに入れられて
何十枚も無造作に重なって入っていた。

まさしく宝の山だった。
1枚1枚丁寧に取りだして見て行った。
ほとんどがミニアチュール(細密画)か
Illuminated Initials(装飾イニシャル)だ。
文字ばかりというのも少しあった。
ミニアチュールの美しいものは£3000というものも。
けれども、£300くらいからあるので
全く手が届かないわけではない。

3段目の引き出しには
インキュナビュラ(揺籃期の活版印刷)のページも
何枚かあった。
INCUNABURA(インキュナビュラ)とは
グーテンベルグの活版印刷機の普及(1445年ごろ)から
1500年までのわずか50年余りの間に印刷された
初期の活版印刷物のことを指す。
それだけに数も少ない。
ドイツのAnton Kobergerの
Bible(1487年)が数枚あった。
すべて木版の挿絵と手彩色の
とてもきれいなページだった。
さすがにインキュナブラ、活字もとても美しい。

WIKIでAnton Kobergerを検索したら
これと同じ(たぶん)聖書の画像が紹介
されていた。

他に1470年制作のU.Gullusというイタリアのプリンターによる
インキュナブラも丸ごと1冊見せてもらった。

装飾が豪華

装飾はもちろん手彩色
ギルディングも施されている。

装飾のスタイルは”White vine”

活字もきれいなローマン体。

Jonathanは私のいろいろな質問に仕事の手を休め、
とても丁寧に答えてくれて、本当に親切だった。

最初、ちょっと敷居が高く感じたけれど、
もしロンドンに来ることがあったら是非立ち寄ってみられることを
お勧めします。
美術館級の写本を間近にそれも手にとって見ることができる
貴重な場所です。
Jonathanも大歓迎だそうです。

訪ねる時は事前に電話をされることをお勧めします。
Maggs Bros. +44 (0)20-7493-7160







multi section sewing WS

 イギリスで学んだBook bindingを
やっとポンテでも披露することができるようになった。
約1年間学んで、やっとなんとか自分のものに
なってきたかな、という手応えを感じたので
WSをして他の方にもお伝えしたいと思った。

といっても、とっても基本的なBinding技術である。
これをしっかり押さえておけばあとは応用という
とても大切な技術でもある。
(もちろん他にもいろいろなスタイルはあるけど)
Bookの世界も知れば知るほど奥が深い。
そして、つくづく職人の世界だなぁと思う。

私が3カ月くらいを擁して
一通り仕上げたこの技術を
たった1日で伝授しようという
かなり無謀と思える試みが
見事に成功してしまった。
参加者7名すべてが
失敗することなく
ほぼ時間内に仕上げてしまったのだ!

これを教えるのは初めてのことで
一体時間内に仕上げることができるのだろうか、
と半信半疑でスタートしたのだが
お昼休みの時点で遅れることなくほぼ予定通り進んでいた。

みんな手が早い!

改めて、日本人の手先の器用さと几帳面さ、
まじめさに驚く。
この分野、日本人にすごく向いている。
それはもう実証済みではあるけれど。
ロンドンではたくさんの日本人ブックバインダーが
大活躍しているのだから。

6時間の作業の末
出来上がった本。
宝石のように美しかった。


Bookbinding WS @ 福岡

 約1年間にわたってロンドンの
The InstituteのBookbinding クラスで
伝統的な技術を初歩から学んできた。

最後に本格的な革をSpineに使った
製本を学んだ。

とは言っても、
やっと5冊できたくらい。
それでも、基本的な技術はなんとか
分かってきたかなぁ。

Geneがお手本を見せてくれている。
革が乾く前に作業しないといけない。
速さと正確さが要求される。

製本がすんだクラスメートは
本を入れるBox作りに取り掛かった。
大きすぎず、小さすぎず、
ぴったりのサイズに作るのが
とても難しそう。

やっと自分でも
いくつものセクションを縫い繋げて
本らしいものがそれなりに
作れるようになったのは
うれしい。
本って、実は結構手作りが
簡単にできる。
(いまさらという気もするけど。)

掌サイズのミニチュア・ブック。
余った材料でできるけれど、
ちょっと細かい作業が大変。

この手作り本の喜びを
スタヂオポンテのみなさんにも
お伝えしたくて、
今回の帰国の際にワークショップを開催します。
"Multisection sewing"
9月19日(日)10:30-16:30
スタヂオポンテにて
オールレベル対象

※ポンテの会員さんでなくても参加できます。

(詳しくはこちらをごらんください。)


最近雨が多くて、ずっと家にこもって
いたので、3冊もできてしまいました。
7cmくらいのミニチュア・ブックも。


ブックバインディングのWSはこれまでも
やったことがありますが、
今回のそれは伝統的な技術を伝授いたします。
カリグラファーのよく作る
アート・ブックではありません。
ただ、1日(5時間)で最後まで完成させられるか、
というのが課題です。
というのが、私たちは結構何回もかかったから。
1回2時間半のレッスンで2カ月とか。
とにかく、時間内に完成できるよう
何とか工夫して何冊も作って試行錯誤しています。
どうぞお楽しみに!
William Morris Galleryで見つけた
Wall paper柄の紙でできた本。
今回のWSでもこれを使って
制作していただけます。



K118

 久し振りにBookbindingクラスに出席した。
1か月半ぶりでは、前回どこまでやっていたのか
すっかり忘れてしまいそうだったが、
親切なクラスメイトのお陰で、なんとかすぐに思い出せた。
クラスメイトの1人Marianは、レッスン内容と写真を
毎回のようにメールで日本にいる私に送ってくれていたのだ。

K118というバインディングを習っている途中だった。

普通のmulti sectionの場合、テープを一緒に縫っていき、
テープとmull(寒冷紗)をPVAで糊づけして、
それをボードに貼りつける。
しかし、K118はsectionをbindingするとき
テープを一緒にbindしない。
endpaper(色つき)とmade endpaper(白)という2種類のendpaperを
貼りつけて、pamphlet sewingでfraynotに縫いつける。
それを5等分にカットしてボードの裏と表に糊づけして
ボードと本体を取り付けるというもの。

ボードにfraynotを貼り付けたもの
(どちらも白いので見にくいけれど)
外側なので3/5枚が貼り付いている。

endbandと同じ高さになるように
ボードを貼る。

先に進んでいたクラスメイトは
削ってやすりをかけて、形を整えたボードに
革を貼る作業をしていた。

革のエッジを45度にナイフでカット。


天, 地, 小口の順にすばやくPVAで
革とボードを貼り込んでいく。


私は、ボードの角をナイフでななめに落として、
紙やすりで丸く形を整えるところで終わった。
ボードの厚みは5ミリとかなり厚いので
紙やすりをかける作業は、細かい粉が舞って
とても家ではできない。
(そこらじゅうまっ白い粉に覆われてしまう!)

Geneがサンプルとして
作っているK118の本。
いろいろな色の革を薄く削って
パッチワークのように貼り合わせてあり
とても魅力的。

今、イギリスはワールドカップで盛り上がっている(ようだ)。 
フラットの前の駐車場に止まっている車の窓にも
イングランドのフラッグ。

フラットの前の花壇のバラの
向こうにゆれるイングランドの旗。

最初は白地に赤い十字なので
薬局のマークかと思っていた。
この旗を立てた車はたくさん見かけるが
他の国の旗はまったく目にしない。
(他国の旗など立てたら何されるかわからない?)





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