須崎公園の緑を残す意味
みなさんは日常的に電車やバスを何十分も乗り継いで
木陰や鳥のさえずりを求めてわざわざ出かけるでしょうか?
歩いて5〜10分のところにある公園でその体験ができることに
自然豊かな都会の価値があるのではないでしょうか。
噴水に面したベンチで憩う人
福岡市やその周辺の住民と、須崎公園を利用している人や
将来利用するかもしれない人、
そして未来の子供達に、自然が感じられる公園を都心のこの場所に残してあげたい。
そこで、一人でも多くの人にまずはこの現実を知っていただきたく、
この記事を書きました。
この歩道の木は桜も全て伐採の対象です
福岡市は8月に工事を着工するそうです。そして6月には工事のための準備に入ると言っています。
どうぞ一人でも多くの人にこの事実を広めてください。
そして、須崎公園の大木たちが伐採されることを止めて欲しいという声を
寄せてください。
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【須崎公園の緑を残す意味】
緑生い茂る大きな木々には、トビ、スズメ、鳩、カモメが集い、
黒い羽に黄色いくちばしのマイナが地面をついばみ、
ウグイスの声も聞こえてきます。
ここは福岡市中央区天神の北の端、博多湾に注ぐ那珂川の河口のそばに
70年余りの歴史を持つ須崎(すさき)公園があります。
福岡の中心部の公園としては唯一と言ってもいいほどの樹高20mを超える巨木が枝を広げ、
楠、イチョウ、桜、メタセコイアなどの木々が緑の葉を茂らせ、
海や山から様々な野生の小鳥たちが羽を休め、さえずり、草木の間をついばむ姿が見られる、
まさに都会のオアシスであり、まぎれもない福岡市民の宝です。
この公園が今年の夏にはなくなるかもしれません。
正式には公園のほとんどの木が切られ、表面がアスファルトで覆われてしまうそうです。
なぜなら、須崎公園内に福岡市が「拠点文化施設」を建てて、
現市民会館を壊し、その跡地はそのまま公園にするからです。
拠点文化施設イメージ図
手前が現市民会館解体後の公園イメージ 画面上の丸いガラス張りの建物が拠点施設。
その手間にうっすらと消えそうな県立美術館が。
市民会館の老朽化は事実ですし、拠点文化施設を新たに建設すること自体に
反対をしているわけではありません。
ただ、50年以上の月日が育てた樹々をほとんどすべて犠牲にする必要があるのかが疑問です。
都心のこの場所にたった一つ、小さいけれど心も身体も癒してくれる
緑溢れる公園が残されているのです。
多くの人々がほっと一息つくために緑を求めて日々集まって来ます。
お弁当を食べたり、寝そべったり、小さな子供をあそばせたり、
週末は親子でバトミントンやボール遊びをする姿がよく見られます。
天神の街中には、残念ながら腰掛けて気持ちよく時間を過ごせるような
場所がとても少ないと言われています。
だからこそ、住人ばかりでなく、旅行や観光、買い物で来る人にとっても
須崎公園はなくてはならない存在となっているのです。
子供がシャボン玉を飛ばして遊んでいる光景は見ているだけで和みます
今年最後になるかもしれない花だとどれだけの人が知っていたのでしょうか
なぜ人はこの公園に集まって来るのでしょうか?
それは大木が緑の葉を茂らせているその木陰に魅かれて、
大木が発散させる涼しいそよ風と浄化された空気に引き寄せられて、
コンクリートとは明らかに違う、木々の温もりに癒しを求めて、
人や動物や鳥や昆虫は集まってきているのです。
楽しそうに戯れる猫たち
本来なら、それを後世に残すべく全力で守って行くことが、
魅力ある未来都市福岡のとるべき道ではないでしょうか。
この大切な財産と引き換えにすべきものなどあるのでしょうか。
福岡市は新たに更地となった現市民会館跡地に木を植えれば良いと言います。
しかし、土壌の質が極度に悪化している現在、50年前に植えた樹木の育ち方と
これから新たに植える木々では、生え方も育ち方も変わります。
元のような大木に育つことはほぼないでしょう。
最近の須崎公園の航空写真 なぜ公園の木を伐採してまで市民会館を須崎公園内に建てなければならないのだろうか?
8本を残してほぼ全ての大木を切ると言う。市民会館を建て替える間の3−4年施設が使用できないと言う理由だけで
これほどの自然破壊をしてもいいのだろうか。
70年前の天神の風景をご存知でしょうか?
高層ビルはほとんどなく、道路も舗装すらされていません。
海が近く、川の護岸工事もされていませんでした。
今とはまるで違う土壌環境だったのです。
須崎公園の樹木をほぼ全て伐採した時点で、植生環境のバランスが
劇的に下がってしまい、土壌の保水能力も下がり、須崎公園周辺のみならず
広範囲での災害被災率が激増することになります。
近年全世界で起きている大規模な災害から、
欧米諸国をはじめ、日本のパイオニア的な植栽、土木の専門家たちも現代土木工事のやり方に疑問に感じ、
立ち止まる動きが始まっているようです。
こういう認められつつある視点を無視してこのまま進むのは、
それなりの責任を取る覚悟があってのことだということでしょうか?
最後に、サティシュクマールの言葉から抜粋したものをご紹介します。
サティシュクマールは、ガンジーの非暴力運動に賛同して、
欧米諸国や日本で広く平和と環境問題についての活動をしているインドの僧侶です。
公園内の落葉樹が黄色や赤に色づく秋も美しい
【豊かさとお金の関係】
経済の世界では、お金なしでは何ひとつできることはないと信じられています。
しかし、私の人生を振り返って言えることは、お金とは本当の豊かさではない、ということです。
では、本当の豊かさとは何かというと、それはあなたの心の中の、信頼する心です。
秋には公園内がイチョウの黄色で埋め尽くされ、明るく輝く
本当の豊かさとは友人であり、人々がつくり出すコミュニティです。
そしてまた、きれいな水であり、美しい森、花咲く木々なのです。
つまり、自然です。
しかし、現代世界はまったく逆のことをおこなっています。
川を汚し、森を壊し、海を汚している。
お金を得るために、本当の豊かさを壊しているのです。
この立派な桜も歩道と共に伐採される
コミュニティや家族も、お金のために崩壊しようとしています。
みんなお金を稼ぐのに忙しく、家族がお互いを大切にすることができなくなっているのです。
コミュニティや家族が今、どんどん壊れている。これは人々がお金の奴隷に、
お金を稼ぐ機械になりさがっているからではないでしょうか。
お金を稼ぐために忙しくて、
人生を楽しむ余裕すら残っていないのではないでしょうか。
お金とはたんなる手段にしかすぎない。
本当の意味での豊かさとは何か、それは「人間」なんです。
もともとお金とは、交換の手段でした。
しかし、今それが「豊かさ」と勘違いされている。
教育システムそのものが、そういうふうにつくられているのです。
何のために教育を受けるのかといえば、
社会に出てより多くのお金を稼ぐ、
よい稼ぎ手になるためだと考えられていますね。
つまり、教育がお金を稼ぐための手段になりさがっているのです。
天神のオアシス須崎公園
https://www.city.fukuoka.lg.jp/chuoku/somu/charm-kankou/ch-jouhouhassin/suzakikoen.html
お台場跡 ひっそりと残されている歴史的な遺構
洲崎のお台場石垣
https://www.city.fukuoka.lg.jp/chuoku/somu/charm-kankou/ch-jouhouhassin/suzakinoishigaki.html
天神とWFの結節点 須崎公園&市民会館がリニューアルへ
https://www.data-max.co.jp/article/34570?rct=machi21
- 2021.03.31 Wednesday
- 公園
- 17:58
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- by Sakura Torako